厳しい社会の現実を教える-2/2

 

厳しい社会の現実を教える-2/2

温室のような環境でぬくぬくと育つと、世の中に出たときに、

トラブルを解決したり、問題に耐えたりする力が弱いのです。

それを育てるためには、スポーツなどもいいのですが、

やはり、社会で頑張って働いている人の苦労話を聞くことが一番だと思います。

「苦は楽の種」という言葉があります。

苦労の先にこそ幸せがあるという意味です。

いまの多くの子どもたちの考え方は、「楽は楽の種」というものです。

楽しいことがあると、将来もっと楽しいことがあるに違いないと思っているのです。

子どもが小さいときから、「将来は誰も助けてくれる人はいないのだから、

自分で稼ぐ力を持ちなさい」とか、

「年金支給額も少なくなっているし、自分で稼ぐしかないよ」といった、

厳しい社会の現実を教えることが必要だと思います。

大阪教育大学助教授　田中博之　(灯台１０月号より)

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