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◆お正月にはなぜおせち料理を食べる

何もかも古い習慣が消えてゆく中で、いまも健在なのが、お正月のおせち料理。

食品天国になった現代では、ゴマメやキントンなど、

あまりおいしいとも思われないのですが、

それでも習慣として食卓に並べない家は少ないでしょう。

「おせち」とは「御節供」の略ですが、

もともと御節供は宮中の節日の宴会に供せられる、ごちそうのことでした。

平安時代の宮中では、1月1日と7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日といった節日には、

神前に食物を供え、お祝料理をつくって宴会をしていたのですが、

この宴会料理の御節供がしだいに略され、

お正月料理だけをさすようになって、「おせち」となったらしいのです。

御節供の行事のほうは、下の「供」だけを変えて「御節句」となり、

三月三日と五月五日だけが、現在は女の節句、男の節句として残っています。

「おせち」を正月のごちそうの意味で使ったのはかなり古いらしく、

「室町殿日記』という本の中には、織田信長が正月五日に諸大名を招いて、

新年の節振舞をしたと書かれてあります。

江戸時代の『玉勝間』という本には、年のはじめに、いはゆる振舞などをすることを節といふ」とあります。

おせち料理を正月に食べるのは、つまり宮中のしきたりが民間に広まり、

歴史の中で伝承されてきたというわけなのです。

なお、その後「おせち」にはいろいろな意味が加えられ、

正月三日間は主婦を休ませるとか水仕事を避けさせるとされ、

大みそかにつくってお重に詰めておくのが通例となりました。

(講談社文庫 つい誰かに話したくなる雑学の本 日本社より)

 

高栄養低カロリー食事(?)での健康・ダイエット記録は→こちら
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